※今月の小話とは
役に立つ話ではありません。
オチもありません。
何かが変わったり、
スラスラ読めたりもしません。
今回は、食べものの話です。
ただ、
数十年かけて、何度も挑戦して、
やっと出会えたことと、
その後に、もう一度出会えた話です。
告白
いきなり告白します。
私、食いしん坊です。
好きな食べ物が沢山あります。
その中でも「アボガド」には、特別な思いがあります。
図書室の記憶
時を遡ること、数十年前
小学生だった私は、よく学校の図書室へ行っていました。
そこは私にとって、沢山の本に囲まれて、知らない世界を垣間見ることが出来る、
至福の森のような場所でした。
ある日、何気なく手にした本の記事に
私は強く惹きつけられました。
森の木の実として育ち
黒い皮に覆われていて
食べれば美味しく
「森のバター」と呼ばれている・・・
それはジャングルの事を書いた本だったと思います。
その中に、当時の日本では、まだほとんど存在を知られていなかった
アボガドについて書かれた一節でした。
私は、写真も無い文章で
「森のバター」という言葉に、心を鷲掴みにされたのです。
なんて美味しそうなんだろう
食べてみたいなぁ
初めての出会い
それから数年後
近所のスーパーへ、お遣いに行った私は
野菜売り場で、見慣れない黒い塊を発見します。
近づいてみると値札に「アボガド」と書かれています。
これが憧れのアボガドかと、小躍りしながら買いました。
すぐに持ち帰って、ナイフで切って
スプーンで一口食べてみました。
あれ?
「森のバター」のはずだけど、
なんだか違うなぁ
初めて買ったアボガドは外れだったようで
美味しく無かったのです。
その後も、幾つかのアボガドを買って試してみましたが
どれも「森のバター」とは、ほど遠く
私は、がっかりでした。
求め続けた日々
そこからは、買ってまで試すことは、ほぼ無くなりましたが、
アボガドとの出会いがある度に、
いただくことだけは続けていました。
でも、なかなか「森のバター」には出会えず、
あの図書室で見た言葉は、嘘で、
アボガドって、こんなものなのかなぁ・・・と
残念な気持ちになっていきました。
ついに本物来たる
しかし、諦めきれない私に、
ついに転機が訪れました。
お呼ばれした先の食卓にアボガド登場。
いただいてみると
これぞまさに「森のバター」
お呼ばれの席なので、黙っていましたが
うれしい
美味しい
はじめてアボガドの存在を知ってから、はや数十年。
諦めなくて良かった
アボガド最高!!!
と、心の内側では、飛び跳ねながら、大はしゃぎでした。
最近のアボガド事情
昔は存在さえ知られていなかったアボガド。
今は、当たり前にスーパーで手に入るようになりました。
でも、結構、当り外れがあるようです。
それもそのはず
調べてみると
アボガドは外から見るだけでは、
美味しい実かどうか、
また傷んでいるかどうかも、
判断が付きにくい作物なのだそうです。
外側から見ると美味しそう、
でも切ってみると、傷んで黒くなった実に、
私も何度もがっかりした事があります。
だから、でしょうか
「・・・もしそのような実を買われた時は、
お知らせいただければ、交換や返金に応じます。」
といった注意書きを添えてあるスーパーも増えてきました。
有難いことですね。
美味しいアボガドは何処に?
きっとアボガド農家さんに知り合いがいたら、最高だと思います。
でも、アボガド農家さんの知り合いがいない、私の強い味方は、
デパートのフルーツ売り場です。
かなりの高確率で、良いアボガドが手に入ります。
何度か、デパ地下の売り場で、
ベテラン店員さんに選んでもらい購入したことがあるのですが、
外れの実に当たったことがありません。
しかも、美しさ・美味しさ、共に歴代1位でした。
――――
この話には、続きがあります。
